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地球からのSOS

バイオ燃料 石炭液化 中国、導入計画見直し

 中国政府はエタノール生産や石炭液化など新エネルギーの導入計画を見直す。エタノールの原料となる食糧や飼料が値上がりし、豚肉価格にも波及し始めたため。石炭液化もそのまま燃料にする方が資源の有効利用になると判断した。今後、食糧を原料とするエタノール生産は認可を停止、石炭液化は審査を厳しくする。エネルギー需要が急増する中国は新たなエネルギー源の開発など対応を迫られることになる。

 中国の2006年のエネルギー総消費は前年比9.3%増え、原油の輸入依存率は4割を超えた。エネルギー自給率の低下が、経済成長に影響を与えかねないと懸念する政府は、省エネを進め、新エネルギーの普及を急いできた。その柱だったエタノールと石炭液化にブレーキをかけたことで、今後は原子力や風量発電を一段と強化せざるを得ない。

中国で建設が進むエタノール生産と石炭液化の設備 中国はすでに吉林燃料エタノール(吉林省)など4社がトウモロコシなどを原料にエタノールを生産しており、年産能力は合計百十万トン。政府は今後、これ以外の新しい設備を認可しない。すでに稼動している4社の設備についても、食糧や飼料にならない植物原料へ転換させる考え。

 中国ではエタノールをガソリンに10%混ぜた燃料が、東北地域などで売られている。エタノール混合ガソリンは、国内のガソリン消費の2割に達している。石油需要の伸びを抑制でき、地球温暖化対策にもなるため、政府はエタノール利用を推進してきた。

 ところが、エタノール原料となるトウモロコシの量が増加するとともに、飼料価格が急騰、豚肉価格も上昇した。農業省の調査では、4月の子豚肉の価格は1キログラムで13.3元(約210円)と前年比で71%の上昇。豚肉を食べる機会が多い庶民の家計に大きな打撃を与えている。

 石炭液化は石炭から石油を生産するが、結果的に活用できるエネルギーの量は減り、工程で大量の水も使う。そのため、政府は「多くのエネルギーで少ないエネルギーを生産する技術」と否定的な見方に転じている。大規模な生産能力を持つ政府のモデル事業は続けるが、小規模な設備は認可しない方針だ。

(日本経済新聞2007年6月12日より)


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