人間活動の影響が原因 「平均気温 最大6.4度上昇」
過去100年で地球の平均気温は0.74℃上昇。なかでもこの50年間の気温上昇は顕著と指摘。地球の貯熱量の増加は海水温度の上昇につながり、海水の膨張とも合わさって海面水位も20世紀中に約17cm上がった。北極海の海氷面積は近年、急速に減少。またグリーンランドや南極では氷床の融解が確認されるなど温暖化の悪影響が明らかになった。
一方、将来の気候変化については社会構造や経済成長別に6パターンを予測。環境保全と経済成長を両立し、最も上昇幅が少ないケースでも1.1℃、化石燃料依存と高成長を維持する場合は最大6.4℃上昇すると予測している。
しかも2030年までは社会シナリオによらず10年当たり0.2℃の気温上昇が見込まれるという。さらに温暖化の影響は高緯度地域の陸地で最大となり、逆に南極海や北大西洋は最小となることも分かった。
このほかにも今回の報告書では、さまざまな新たな知見が明らかになった。例えば大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇し、CO2が海に溶け込むと海水の酸性化が起こり、サンゴや石炭化を行う植物プランクトン、動物プランクトンの生物生産への悪影響が懸念される。また積雪面積や極域の海氷が縮小し、北極海の夏の海氷が21世紀後半までに消滅する可能性も指摘している。
猛暑や熱波、豪雨といった極端な気象の発生頻度は、これまで以上に増加する可能性がある。また熱帯低気圧は発生件数は減少することが予想されるが、ひとたび発生すると大型化することも分かった。
さらに深刻なのは、世界が温室効果ガスの排出削減に真摯に取り組んだ結果、仮に大気中の温室効果ガス濃度を2100年に安定化させたとしても、熱膨張だけで海面上昇が続くという現実だ。
世界自然保護基金(WWF)インターナショナルのジム・リープ事務局長は今回の報告書について「各国政府に今すぐに(温室効果ガス)の排出を削減するための行動を始めるべきだと明確に呼びかけているもの」と受け止めている。
| 現在の気候変化 | 気温の温暖化を断定 |
|---|---|
| 1906年から2005年の平均気温は0.74℃上昇 | |
| 将来予測 | 21世紀末の平均気温は1.1℃から6.4℃上昇 |
| 21世紀末の海面上昇は18cmから59cm | |
| 2030年までは10年当たり0.2℃気温上昇 | |
| 熱帯低気圧の強度が強まる | |
| 積雪面積や極域の海氷が縮小 | |
| 海洋の酸性化が進む | |
| 人為起源のCO2の大気中の残留分が増加 |
(2007年2月28日付 日刊工業新聞より抜粋)