地球からのSOS

温暖化 現実の脅威

 長期的な地球温暖化に関する懸念が高まる中で、今年の冬は世界各地で異常気象が相次いで観測された。世界気象機関(WMO)は、今冬の異常気象の原因を4年ぶりに発生したエルニーニョ現象によるものと見ているが、IPCC(国連「気候変動に関する政府間パネル」)報告書が警告する「気候変動」が、だれにも体感できる形で始まりつつあることも印象づけている。

 WMOによると、米国北東部ニューヨーク州では1月上旬、平年値0℃の最高気温が22℃まで上昇し、半袖姿の市民も見かけるなどまれに見る暖冬。ところが1月中旬になると、米西部から中部にかけては、異常低温となり、北西部ワイオミング州で平年値を15℃下回る氷点下26℃を記録。各地で道路の凍結など深刻な影響をもたらした。
 欧州は、秋以来の暖気流入の影響で、1月中旬までアルプスに雪が積もらず、日本と同じ記録的な暖冬が続いた。ところが下旬、突然の寒波襲来で、広い範囲で大雪となった。
 劇的な暖冬を経験したのは北極圏やロシア・シベリア地域。モスクワの動物園では、クマが”不眠症”になるという珍事も起こった。
 一方、夏の南半球も異常ぶりは同様だった。オーストラリアでは、昨年12月から広い範囲で干ばつが続いたが、年が明けると、中部から南部にかけて一転して豪雨を記録した。干ばつと異常降雨が隣り合わせの状況にある。
 異常気象の原因とされるエルニーニョ現象は、東太平洋赤道付近の海水温が上昇するもの。暖水域上空の雲の発生場所を動かし、例年雨が多い地域が小雨になるなど、地球全体の大気に異常をもたらす。これに温暖化の長期的な影響も加わったのは間違いなく、WMOのブルハニ・ニェンチ世界気象計画部長は「世界の気象変化のトレンドは、変動幅と不安定さを増している」と分析している。

(2007年2月3日付 読売新聞より抜粋)


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