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温暖化安保理で初討議~「国際紛争招く脅威」~

 国連安全保障理事会は17日午前、地球温暖化に関する初の公開討論を開いた。国際社会の平和と安全への脅威にかかわる議題を扱う安保理で温暖化問題を取り上げることには異論もあったが、議長国の英国の強い要請が通った。安保理メンバー以外の発言も認められ、発言者は50カ国を超える見通し。日本の大島賢三国連大使も温暖化大作の枠組み強化を訴える。

 公開討論は提案国の英国のベケット外相が議長を勤めた。同外相は討論に先立ち「戦争は水や食糧などを巡って起きる。気候問題は経済だけでなく、平和や安全保障に対する潜在的な脅威だ」と述べた。

 今年1月の就任後、重要課題の一つに温暖化対策を挙げた潘基文(バン・キブン)国連事務総長も発言。気候問題が紛争につながる将来のシナリオを複数紹介したうえで「(気候問題に)早期に取り組むメリットを明確にしていくべきだ」と各国に積極的な取り組みを促した。

 他地域に先がけ、2020年までに温暖化ガスを20%削減する方針を決めた欧州連合(EU)議長国のドイツの代表も発言し、欧州勢の取り組みをアピールする。
 日本の大島大使は、米国が拒否し、中国、インドなど途上国に削減義務がない京都議定書の次の枠組み強化を求める予定。他の国連機関より注目度が高い安保理で従来の主張を展開することで、13年以降の温暖化対策を決める「ポスト京都」の議論にはずみをつけたい考えだ。

 英国は今月上旬、安保理議長の立場を生かしてジョンズパリー国連大使が、温暖化が国際紛争を悪化させる可能性がある」とする討議資料を安保理に提出。海面上昇に伴う領土の消失が国際紛争を激化させる可能性や以上気象による農産物不作で移民が急増する自体などを指摘し、安保理で議論する必要性を強調した。
 ただ、国連外交筋によると、温暖化対策に消極的な米国や中国、一部の途上国などは同問題を「安保理権限の範疇外」として難色を示した。このため安保理では公開討論にとどめ、声明や決議を採択しないとの条件で折り合ったという。

 気候変動枠組み条約に基づいて1997年に採択された京都議定書は、08年~12年までの実施機関に90年比で日本6%、EU8%、米国7%の削減をそれぞれ要求。米国は拒否している。

温暖化がもたらす国際安全保障への影響
1)国境紛争 海水面上昇による島しょ国の水没、海岸線の大幅後退、新たな海路開拓→紛争発生の可能性
2)移 民 灌漑(かんがい)用水の減少などに伴う移民増加→民族構成の変化による政情の不安定化
3)エネルギー供給 温暖化ガス削減を目的としたエネルギー輸入元の変更、水系変化による水力発電への影響→急激な変化なら紛争も
4)他の資源不足 飲料水や耕作地、漁獲量の急減など→地域や国家の不安定化
5)社会の緊張 人種間抗争などの懸念
6)人道上の危機 異常気象の可能性増大→突発的な人道危機の発生
※英国が安保理に提出した討議資料から作成
(日本経済新聞2007年4月18日より)

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