太平洋の水温上昇 海洋機構が観測
温暖化と関係も
水深約3500メートルの太平洋の底を流れる深層海流の温度が上昇していることが海洋研究開発機構の精密な観測調査でわかった。南極で沈み太平洋のほぼ中央深くを北に向かう海流で、上昇幅はこの10年で0.005~0.01度とごくわずかだが、気温に換算すると一度以上に相当する。大きな気候変化の兆しで、温暖化と関係している可能性がある。
1999年から2005年にかけて観測した結果90年代前半のデータと比較した。上昇幅は南極に近い南太平洋で0.01度、遠い北太平洋で0.005度。
水は空気より熱を蓄えるため、この範囲の海水温の上昇は同じ量の大気なら1~1.6度暖かくなる熱量に相当する。温暖化では平均気温が2度上がると被害が出るとされており、1~1.6度は小さくない。原因は不明だが「南極海で改定に沈む冷たい水が減っている可能性がある」と同機構・海洋大循環観測研究プログラムの河野健サブリーダーは話す。
南極周辺では海水が氷になる際、凍らなかった塩分を含む重たい冷たい水が深く沈みこみ、深層流を作り出している。このメカニズムに異変が生じていることが想定される。グリーンランド沖でも欧米の観測で沈み込みが弱くなったことが見つかっており、温暖化の影響も指摘されている。