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母から最後の贈り物

2010年7月24日

母が7月17日未明亡くなった。95歳だった。

 

母の思い出は沢山あるけれど、小学校4年生の音楽の時間、担任の先生から
どんな歌でもいいから、知っている好きな歌を歌いなさいと言われ、母から
教えてもらった楠正成の「青葉茂れる桜井の」・・・を歌つた。

 

歌い終わったあと先生が、須永君は難しいすごい歌をよく知っているね!と
褒められたことを思い出した。
一人、お寺でお通夜を過ごすことになり、母のなきがらにこの歌をたむけた。

 

額の中の母の顔が微笑んだ。

 

1、 青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ
   木のした蔭に駒とめて 世の行く末をつくづくと
   しのぶ鎧の袖の上に 散るは涙かはた露か

 

2、 正成涙を打ち払い わが子正行よび寄せて
   父は兵庫におもむかん かなたの浦にて討ち死せん
   汝はここまで来つれども とくとく帰れふるさとへ

 

3、 父上いかにのたまうも 見捨てまつりてわれひとり
   いかで帰らん帰えられん この正行は年こそは
   いまだ若けれもろともに 御供仕えん死出の旅

 

菩提寺のご住職から、母はこれから49日をかけて極楽浄土への旅が始まる。
旅が無事に成就できるようにこれから49日の間、お燈明とお線香の煙を絶やさないように、
故人の旅を支え、応援してあげてくださいと、お話をいただいた。

 

年間を通じてなかなか休みが取れず、自分の時間が持てない私に母からお通夜という
母と共に過ごせる時間、書を読む時間・・・とてもうれしい゛時〟をプレゼントされた。

 

お通夜を寝ずに過ごそうと考え、以前からゆっくり読みたいと思っていた本を持ち込んでいた。

 

佐々木将人氏著「人生山河ここにあり」を一晩中読み通した。

 

考えさせられ、感動することが多く、お蔭で全く睡魔に襲われず30分毎に新しいお線香をあげ、
朝まで3回お燈明のローソクを換え、一度もお線香の煙とローソクの明かりを絶やすことなく、
役目を果たした。

 

佐々木将人氏は、哲人中村天風氏に師事、合気道開祖植芝盛平翁のもとで合気道を修行、
合気道師範となる。
昭和4年2月の生まれで現在81歳、心身気力充実。一度お話をお聴きしたことがあるが、
大変楽しく、壮気溢れ大変魅力的な方だ。

 

氏から大変感銘を受けるのは81歳になり猶、一人の人間として更なる成長を希求している
真摯な姿勢、純粋さだ。

 

「言葉は命にして、一言、時に一生を救う」 中村天風氏との出会いが彼を求道者に変えた。

 

佐々木将人氏、命の言葉をいくつか紹介致します。
これこそ母が私にくれた「最後の贈り物」で皆様にもおすそ分けしたいと思います。

 

1、夜寝ている時は、生きているのに、病も貧乏も悩みもなく、眠りから目覚めて悩むように
  結局は心一つの置き所で、心の目覚めが悟りであり、不幸が一転して幸福になる。

 

1、人と生まれる自由がない様に、まず一義的な生き方は、御蔭様という神仏に生かされて
  いるという感謝の心と、その心を何があっても明るく朗らかに、生き生きと勇ましく堅持していると、
  運命が好転する様に宇宙の法が出来ている。

 

1、毎日やらねばならぬ雑事こそ神務であり、神道は心道なりで、敬神崇祖、親孝行をもとに
  何事も感謝の生活が日本人の心である。

 

1、愛・・・ 生かす心 育てる心 与える心 全てを許す心

 

1、命・・・ 天命に生き 運命に挑み 使命に燃ゆ   命とは一つ叩くと書く

 

1、志・・・ 次元を高め 視野を広げ 思慮を深め 進路を定め 行動を強める

 

1、心・・・ 心は光よりも早く宇宙より大きい 又、心ほど小さいものはない

 

1、心・・・ 吾を苦しめるのも吾が心 吾を救うも吾が心

 

1、心・・・ 心こそ神に通ずる道なれば 磨き清めむ汚れやすきに

 

1、夢・・・ 夢あらば人生あり 夢あらば青春ある

 

1、如水・・ 花の美しさ緑のあざやかさ 水は自らの姿を消して この世の命となる

 

1、水・・・ 水の中 尋ねてみれば波はなし されど波は水よりたつ

 

 

                              まず一献   佐々木将人

 

    男の酒のうれしさは              花咲く春に飲むもよし             嵐の中でも時がたつ

    たちまち通う意気と熱             雨降る秋に飲むもよし            艱難汝を玉にする

    人生山河険しくも                男意気地に生きるもの            男己に克つ者よ

    君盃をあげたまえ               君盃をあげたまえ               君盃をあげたまえ

    いざわが友よ まず一献           いざわが友よ まず一献           いざわが友よ まず一献

 

 

    何かあるのが人生さ             たって半畳 寝て一畳             男じゃないか胸を張れ

    それをひとつまた一つ            天下を盗っても 四畳半            万策つきて倒るとも

    解決するは男だろう             男常に空になる                 天あり 地あり 未来あり

    君盃をあげたまえ              君盃をあげたまえ                君盃をあげたまえ

    いざわが友よ まず一献          いざわが友よ まず一献            いざわが友よ まず一献

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