地球温暖化問題をきっかけに浸透しつつあった「エコ」消費。東日本大震災の発生で電力不足への危機感が強まり、節電に配慮した消費行動に拍車がかかった。一方で将来の不透明感から家計の節約志向も根強い。省エネなどで得られる経済効果とのバランスを重視する傾向も強まっている。
エコ消費とは、二酸化炭素(Co2)抑制などにつながる商品やサービスを優先する購買行動だ。まず環境配慮への意識が高い消費者に浸透。家電製品や住宅のエコポイントやエコカー減税など国の政策も後押しし、裾野が広がった。
こうした傾向に拍車をかけたのが東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴って全国で深刻化した電力不足だ。節電の高まりは新たな消費を生んだ。
例えば発光ダイオード(LED)を採用した天井照明。調査会社のGfKジャパン(東京・中野)によると2011年2月の販売構成比は1割弱だったが、11月には7割近くまで伸びた。太陽光発電も「住宅大手の新築物件の約5割に設置」(太陽光発電協会)され急速に普及が進む。
オフィスなどでの軽装を徹底し、冷房温度を高めの設定とする「クールビズ」が広く浸透。電力消費のピーク分散のため企業が夏場の就業時間を早めた結果、飲食店などでは「アフター4」消費も注目された。
電力料金意識し拡大
シナリオ①
2021年のエコ消費はさらに拡大する。カギを握るのは電気料金だ。各地の原子力発電所が休止などを迫られ、電力各社はコスト高の火力発電何度に切り替えている。「電気料金に先高観が広がり、省エネ家電は引き続き伸びる」(ケーズホールディングスの加藤修一会長)
店頭価格だけ比べれば先進的な省エネ家電製品は割高に映るが、消費電力を考えると運用コストは安い。「買い替えにより数年で元が取れる商品は購入をためらわない傾向が強まっている」(ビックカメラ)
家庭の電気代を減らそうと、太陽光発電装置も需要が伸びそうだ。政府の購入支援策に左右される面も大きいが、昨年11月に第3次補正予算が成立し、「当面の需要を賄う補助金は十分確保できた」(太陽光発電メーカー)ようだ。
(2012年1月1日 日本経済新聞より抜粋)

